水蝕字跡

短歌

蝋燭が身体の芯に聢と在る 自分の主人あるじはずっと自分だ


静寂しじまからぼんやり灯るぼんぼりよ それでいい 自分ひとりの家で

すくわれるための民にはふくまれることなくおさめられてきた世は

悪役は闇に棲むのと信じこませ視界を侵略していく光

闇にひび入れば光 いかづちに共鳴した照明たちの脚

闇を此処、こころへ招いて太陽がなくともひかるステンドグラス

ひかりとざすまぶたひかりはひかえめに 闇は誰をも襲いはしない

禁欲を偽っているだけだと云う声を吸い込む友待つ雪よ

純潔などほしくはない 透明であるはずでも白いんだ雪は

穢れているときみに言わせたものをすべて見に行く悲憤で編んだ靴で

おしゃべり

かろやかに毒さすひかりさすように はなすとざんねんおしゃべりがへた

一掬は伝って糊はほどかれて喋れば台無しになる容姿の

着流し

女物だと云う帯を骨盤のあたりで結ぶ この位置がいい

のひとのようにはできない着流し二枚の薄い布多くあり        

分かる——クィアプラトニック

晴れ渡る性行為への思想がある 腫れ上がるつちここに天泣      

濁る

誇らしく闇を切り裂く翼もつ光が賛えられてきたこと        

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