水蝕字跡

14行詩

月にかかれば黒い雲

光れば煙る息の間に

思い出消える ただのひとつも

見せないようなクレーターの谷

ならば星は変幻自在

海に映らず今はまだ

祈りで潮を導きなさい

神話はどこにも見えないままだ

明かりを懸けられ花嵐

手のひら翳せば遠く赤

夜霧のように流水散らし

乾きはじめた誰かのお墓

忘れられた未来なら戻りたい

眠りへ昇れば二度と言えない

2016
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